アンゾフマトリクス② 市場開拓戦略とは? ― 今ある価値を、別の場所へ静かに届ける

アンゾフマトリクスとは

アンゾフマトリクスとは、企業がこれからの成長の方向性を考えるための、シンプルな整理図です。
軸はと同じく、たった2つ。

  • 市場:既存か、新規か
  • 製品・サービス:既存か、新規か

この組み合わせから、成長戦略は次の4つに分かれます。

戦略市場製品
市場浸透戦略既存既存
市場開拓戦略新規既存
新製品開発戦略既存新規
多角化戦略新規新規

本記事で扱うのは、「市場開拓戦略」です。

ガラパゴスワークスブログ:アンゾフ マトリクス図

市場開拓戦略とは?

市場開拓戦略とは、
今ある商品・サービスを、まだ出会っていない人に届けていく戦略
です。

  • 商品は変えない
  • 中身も大きく変えない
  • けれど、届ける「場所」や「相手」を変える

市場浸透戦略が「深くする」戦略だとしたら、市場開拓戦略は「横に、静かに広げる」戦略と言えます。
ガラパゴスワークス的に言えば、背伸びはしないが、殻にはこもらない。
そんな立ち位置です。

どんなときに市場開拓戦略を考えるのか

次のような状態の企業には、市場開拓戦略が向いています。

  • 商品・サービスの完成度は高い
  • 既存顧客からの評価も悪くない
  • ただ、成長が少し頭打ちになってきた

「もっと頑張らないと」ではなく、「この価値、他にも必要としている人がいるのでは?」と感じ始めたときが、考えどきです。

市場開拓戦略の考え方(実務の視点)

やることは、意外とシンプルです。

① 価値を変えずに、視点を変える

商品を作り直す前に、使われ方・語り方・見せ方を見直します。
誰の、どんな困りごとに役立っているのか
なぜ選ばれているのか
を一段抽象化して考えます。

② ターゲットを“広げすぎない”

市場開拓で一番多い失敗は、「誰にでも売ろうとすること」です。

  • 年齢
  • 立場
  • 利用シーン

を少しだけずらす。
それくらいが、ちょうどいい。

③ 小さく試す

いきなり大きく広げません。

  • 一部エリア
  • 一部業種
  • 一部メニュー

反応を見る →整える →少し広げる
この順番が重要です。

市場開拓戦略の具体例:ワークマン

作業服専門店だったワークマンは、
高品質・低価格・高機能
という既存の強みを活かしながら、
アウトドア・カジュアル・女性向け
という新しい市場へ展開しました。

注目すべきは、
製品の本質は変えていない
「誰が、どんな場面で使うか」を再定義した

点です。
これはBtoCだけでなく、士業・BtoB・専門サービスでも十分に応用できます。

市場開拓戦略のメリット・注意点

メリット

  • 新商品開発よりリスクが低い
  • 既存の強み・実績を活かせる
  • 成功すると、成長の“幅”が出る

注意点

  • 市場理解が浅いとズレやすい
  • 伝え方を間違えると響かない
  • 一気に広げると、現場が疲れる

市場浸透戦略と同じく、気合より設計が重要です。

向いている企業・事業

  • すでに主力商品・サービスがある
  • 評価や実績はあるが、伸び悩んでいる
  • 新規開発より、今の強みを活かしたい

特に、
士業
専門サービス
地域密着型ビジネス

とは相性が良い戦略です。

市場開拓戦略を考えるときの視点(ガラパゴスワークス流)

① 価値は、もう十分ある前提で考える

足りないのは「中身」ではなく「届き方」かもしれません。

② 広げる前に、言葉を整える

誰向けの価値か、社内で共有できていますか。

③ 一度にやらない

広げるほど、ゆっくり進めるのがコツです。

④ 人に無理をさせない

市場を増やすほど、仕組みが重要になります。

まとめ

市場開拓戦略とは、「今ある価値を、別の場所へ静かに届ける」戦略です。
無理に変えない
でも、止まらない
広げる前に、整える

市場浸透で足元を固め、市場開拓で視野を広げる。
その先に、次の成長戦略が自然と見えてきます。

− マトリクス関連記事 −
ジョハリの窓
セミナー活用 マトリクス
Will × Skill マトリクス

アンゾフ マトリクス
① 市場浸透戦略
② 市場開拓戦略
③ 新製品開発戦略
④ 多角化戦略