はじめに:なぜ「抽象的思考」がビジネスに必要なのか
経営者や士業、専門家の方々にとって、日々の意思決定や戦略立案に求められるのが“思考の質”です。
特に「抽象的思考力」は、複雑な情報を整理し、本質を見抜くために欠かせないスキルとなっています。
この記事では、抽象的思考の定義や具体的思考との違いを明確にしながら、実際のビジネスでどのように活用されるのか、実例を交えて解説します。
抽象的思考とは?

抽象的思考とは、個別の出来事や情報から共通点・本質を抽出し、全体像や普遍的なルールを見出す思考スタイルです。
例え話:山の頂上から全体を見る
木や花を個別に観察するのではなく、山全体の景色を俯瞰して見るようなイメージです。
全体の構造や流れを理解することで、複雑な状況でも判断の軸がぶれません。
具体的思考との違い
| 項目 | 抽象的思考 | 具体的思考 |
|---|---|---|
| 視点 | 全体/本質を捉える | 部分/詳細に注目 |
| 目的 | 原理・パターンの把握 | 現象・事実の理解 |
| イメージ | 山の全体像 | 木の一本一本 |
「犬」を例にすると
- 具体的思考:柴犬、シェパードなどの特徴に注目
- 抽象的思考:「4本足の哺乳類」「ペットとしての存在」など概念として捉える
抽象的思考が活きるビジネスシーン
新規事業・イノベーションの創出

- 既存の枠組みを超えた発想を促進
- 異業種の成功事例から共通パターンを抽出
戦略設計・意思決定
- 市場や社会の大局的な変化を捉える
- 社内の複数部署や要素を一貫した視点で統合
問題解決・課題分析
- 表面的な問題に惑わされず、根本原因を特定
- 「なぜ起きたか」ではなく「どんな構造で起きたか」を考察
抽象的なアイデアを具体化する3ステップ
抽象と具体の“往復”こそが、実務に活かせる思考法です。
1.SMARTゴールで具体的にする

- 抽象例:「事業を拡大したい」
- 具体化:「半年以内に新規顧客を50件獲得」
2.KPI(主要業績評価指標)を設計する
成果を数値で測れるようにすることで、進捗と改善が可能に
3.フレームワークを使って言語化
例:アンゾフのマトリクス、ジョハリの窓などを活用し、抽象的概念を視覚化・図式化
まとめ:抽象化力は経営者・士業・専門家にとって最強の武器
抽象的思考は「複雑さを整理し、構造化し、言語化する」ための根幹スキルです。
専門家や経営者が情報の海に溺れず、意思決定や戦略立案に集中するためには、抽象化力を磨くことが最も効果的です。
株式会社ガラパゴスワークスでは、抽象的アイデアを“構造化して見える化”する独自化支援を行っています。
ご興味のある方はお問い合わせください。
