アンゾフマトリクス① 市場浸透戦略とは? ― 無理に広げず、今ある価値を深くする ―

アンゾフマトリクスとは

アンゾフマトリクスとは、企業がこれからの成長の方向性を考えるための、シンプルな整理図です。
軸は2つだけ。

  • 市場:既存か、新規か
  • 製品・サービス:既存か、新規か

この組み合わせから、成長戦略は次の4つに分かれます。

戦略市場製品
市場浸透戦略既存既存
新市場開拓戦略新規既存
新製品開発戦略既存新規
多角化戦略新規新規

本記事で扱うのは、もっとも無理がなく、再現性が高い「市場浸透戦略」です。

ガラパゴスワークスブログ:アンゾフ マトリクス図

市場浸透戦略とは?

市場浸透戦略とは、「今いるお客様に、今の価値を、もう一段きちんと届ける」という戦略です。

  • 新しい商品を作らない
  • 新しい市場に出ていかない
  • 今ある強み・信頼・実績を深める

背伸びをせず、足元を整えることで売上が自然に伸びていくのが特徴です。
ガラパゴスワークス的に言えば、「頑張って増やす」よりも「流れをよくする」戦略です。

主な施策の考え方

やることは、意外とシンプルです。

  • 既存顧客の利用頻度・利用量を高める
  • 競合に流れていた顧客を、静かに取り戻す
  • 価格・導線・伝え方を整える
  • リピート・ファン化を仕組みで支える

新しいことを足す前に、すでにある接点が詰まっていないかを見直します。

市場浸透戦略の具体例

① マクドナルド

  • 手頃な価格帯の商品展開
  • 「朝マック」による利用時間帯の拡張

新しい市場を作ったわけではありません。
既存の顧客が、もう一度来る理由を増やした好例です。

② ユニクロ

  • 価格と品質の一貫性
  • 分かりやすいメッセージと大量露出

商品は大きく変えず、「選びやすさ」と「安心感」を磨き続けた結果、市場内シェアを拡大しました。

市場浸透戦略のメリット・注意点

メリット

  • 既存市場 × 既存商品なのでリスクが低い
  • 売上・利益が安定しやすい
  • 顧客との信頼関係を深めやすい

注意点

  • 市場が成熟すると伸びが鈍る
  • 価格競争に巻き込まれやすい
  • 仕組み化しないと、人が疲れる

だからこそ重要なのは、「気合」ではなく「設計」です。

向いている企業・事業

  • すでに一定の顧客・実績がある
  • 商品・サービスの完成度が高い
  • 営業・マーケティングにムラがある

特に、士業・専門サービス・地域密着型ビジネスとは相性抜群です。
「新しいことをやらなきゃ」と焦る前に、まだ届いていない価値がないかを見直す余地があります。

市場浸透戦略を成功させる視点(ガラパゴスワークス流)

① なぜ選ばれているのかを言葉にする
価格以外の理由を、社内で共有できていますか。

② 価値を削らず、伝え方を整える
値下げより、説明不足の解消が先です。

③ 導線をなめらかにする
申し込み・問い合わせで、止まっていませんか。

④ 人に無理をさせない
仕組みが整えば、営業は静かになります。

まとめ

市場浸透戦略とは、「今ある市場で、今ある価値を、丁寧に深める」戦略です。

  • 短期〜中期の安定成長に強い
  • 顧客満足と信頼の積み重ねが成果になる
  • 次の一手を考えるための“土台づくり”になる

焦って広げなくていい。まずは、ちゃんと回る形に整える。
それができた会社から、次の成長戦略も、自然に見えてきます。

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アンゾフ マトリクス
① 市場浸透戦略
② 市場開拓戦略
③ 新製品開発戦略
④ 多角化戦略